『他人に嘘を吐いてはいけません。』
そんなことみんな子供の頃から教えられるだろう。常識。子供でもそう言うよね。
実際、ボクもそうだった。
親から言われた記憶はないけれど、保育園の先生にこっぴどく叱られていた頃によく言われた。よく言われたということは、よく人に嘘を吐いていたのだろう(笑)
いや、これが笑い事ではないのだけれど、うちの親はよく嘘を吐く人だったと思う。(今も健在なので過去形にしてるのは今は良い意味で親との距離を置いているから…である。)両親ともに日常的に都合の良い嘘を吐く人たちなものだから、その嘘は思考回路と共に貰ってしまう。もちろん、幼少の頃からなので学校教育よりも先に、嘘のつき方を学んでしまうわけである。
少し話は逸れてしまったが、他人に嘘を付いてはいけないのと同じくらいしてはいけないことが、自分自身に嘘を吐くこと。これを意識できている人がこの現代社会の中であまりにも少ないと思う。
どんな嘘か?
それは、日常の小さなことから始まる。
ケース①
例えば、明日は友達とご飯を一緒に行く約束の日。前日になって、なんだか行きたくなくなってきた。理由なんか特にない。ただ、行きたくなくなった、だけ。どうしよ?正直に「行きたくなくなった」なんて言ったら角が立つ。コロナが流行っていた頃は、テキトーに「昨日から咳が出てて…」で済んだ話なんだけど…とりあえず、風邪ひいたって言っとくか。
ケース②
今日の仕事は疲れた…。予定ではもっと段取りよく進むはずだった。なのに、後輩はミスをするし、上司は以前自分が言ったことすら忘れて頭ごなしに詰めてくる。こんなことでは正直、会社への信頼感も薄れてしまいますって。
それはそうと、今夜は4歳になる息子の誕生パーティーをやることが決まってたんだっけ。妻からケーキを買ってきてと頼まれていたんだった。忘れていた。時計の短針は20時を少し回っている。今日は18時には会社を出ると約束をしていたから、きっと妻は怒っているだろう。帰れば、冷めた料理の話から聞かれるのが関の山。
本当に疲れ果てた。不倫相手の美咲に会いたい。もうこんな時間になったから、今更あと数時間遅くなったってなんにも変りゃしない。妻の説教を聞くのはどうせ変わらないと言う意味だ。よし、美咲に電話してみよう。
ケース③
私は経営者として順風満帆な人生を送っている。年齢も30歳になったばかり。ウェブ系の会社には数十人の人材を雇っているし、これから更に大きくする予定だ。いいぞ。今の所、概ね予定通りだ。
仕事に信念がない?信念なんてどうでもいいっしょ。要はしっかりと稼げるスキームになっているかどうかが重要。効率的に仕事を稼ぐことが仕事の本懐なんだからさ。
わかってない先輩や元友人は、なんやかんやと横槍を入れてくるけれど、あいつらは何にもわかっちゃいない。金が稼げない奴は人としての価値が低い。だって、この世の中は資本主義だから。それってお金で回ってるってことでしょ?
人を幸せにできる仕事かどうか?そんなの理想論だし、そんなこと言ってたら家族だって守れやしない。実際、私の母親は離婚した父親から一銭の養育費も貰えず苦しんでいた。いつも仕事ばかりして、家にも殆どいなくて、私と弟のマコトは母が働いていたスーパーの賞味期限切れの弁当ばかり食べていた。
それもこれも、お金があればぜーんぶ解決!そうだろ?
これらの何に問題があるのか…お分かりだろうか。
<追記予定>2024/05/08
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